害のない人間が一番得をする。

何にもしたくないけどしてる感は出していく

ヤバい虫歯と死んでる歯

 歯医者行った。被せ物が取れたんだよね、銀歯。しかも多分飲み込んでる。取れた後どうしていいか分かんなくて、とりあえず元の場所に戻しておいた。その日の昼飯後、気づいたらなかったんだ、絶対飲んでるよね。

多分取れないだろうという希望的観測

 一般的にあまりないと思うし、良くない事だと思うんだけど、私は歯医者に10年近く行っていない。口の中に手が入るとおえっとなる嘔吐反射というもののせいで治療が進まず、歯医者は気まずい場所でしかなかった。

 

 私は歯医者が嫌いだ。本っっ当に行きたくない。自分に虫歯があることも知っている、知っててほったらかしている。まだ痛くないからなんだけど、痛くなっても多分行かなかった。嘔吐反射で治療の手が止まるたびに医者にため息つかれるトラウマ。治療に来なかった事への叱責。治療中痛いと手を上げると「分かってて早く来なかったからだ」と言われた。ごもっともなんだけど、そこには二度と行かなかった。今でもマジ潰れてて欲しいと思う。

 

今回は銀歯が取れたことを職場でうっかりしゃべってしまった。歯医者に行ったかどうかを聞かれて、行っていない事がバレると非常にまずい。気にしなきゃいいんだけど気にしちゃうんだよ、これで後になって歯が痛くなったら「だから歯医者行けって言ったのに…」ってなるやんか。

 

 しぶしぶ土曜に歯医者予約した。行けない言い訳を当日の朝まで考えてた。でも予約電話の時に枠が埋まりまくってて、私のために細かく調整して枠を作ってくれた様子が分かった。そんなんドタキャンとかできないじゃん…

 内心台風のように吹き荒れる不安を隠して、すました感じで病院に入る。渡された問診票にビビってウソ書く、「虫歯ない、異常ない、詰め物がとれただけ」。医者が見たら虫歯だってすぐ分かるのに、早く帰りたいからしょうもないウソついた。案の定すぐバレたけど。

 

 私に歯科衛生士(声がかわいい)が「取れた銀歯は持っているか」「直近で歯医者に行ったのはいつか」を聞く。10年以上前と言うのも気まずいので「覚えてないくらい昔です、銀歯はなくしました」と濁した。

飲み込んだのもバレてる感ある

 気まずい気持ちで小さくなっていると、歯科衛生士は淡々とやることの説明をして椅子を倒した。いよいよとなってようやく諦めた私は嘔吐反射があることを伝えた。「何かあったら遠慮なく言ってくださいね、すぐ止めますので大丈夫ですよ」と言われた。嘘じゃねーだろうな…と疑心暗鬼になったが、意外にも嘔吐反射は我慢できる程度だった。

 歯科衛生士は私の歯を見て「奥歯付近に歯石が溜まっていること」「虫歯があること」「歯周病の疑いがあること」を分かりやすく説明してくれた。

 

 まずは歯石を取るそうで、来ましたドリル。目と顔周辺をタオルで覆われてスタート。何も見えない。歯を削られるわけではないので言うほど痛くない。でも痛いっちゃ痛いし血も出るので、必死で違う事考えてた。

  • 前日に見たアニメ「メイドインアビス深界四層(巨人の盃)の上昇負荷は、全身に走る激痛と穴という穴からの流血…怖すぎるやろ…
  • あ!!…今ぢくってした!なんか刺さった?深い?…こわい!でも手を上げるほどは痛くない…どうしたらいいんだ…
  • 小学校の時に体育館に集められて、赤い錠剤もぐもぐして歯垢を見てはみがき指導されるやつあったなぁ。あれ薄甘くて不味かったな。

 下の歯の歯石はきれいになったそうで、うがいした後ベロで触ってつるつる感を楽しんだ、すっごいつるつるする。エナメル質すげぇ。指で触ったらキュッキュいいそう!

 

 うきうきしていると歯医者と歯科衛生士が来て私含めてレントゲン見ながら「ヤバい虫歯が数本と死んでる歯が2本あるけどどうするか会議」が始まった。

 

死んでる歯?死んでるってどゆこと?全然気づかなかった。しかも2本とか。そもそも私は痛みはないから分からんけど、こっそり死んでたってこと?死んでるやつ分からんとかanotherじゃん。奥歯が虫歯で少しずつ削れてきているのは知っていたけど、死んだのそいつか?←違った

ja.wikipedia.org

 実際は前の歯医者での治療で神経を抜いている歯があり、栄養が届かないため変色してきている(死んでる)らしい。教えてもらったが、確かに少し黒ずんできているような…。そしてほっとくとその内折れたりするらしい、こわい。奥歯は瀕死だが生きてはいるそうだ、よかった。でも左右の奥歯共に瀕死だそうな。よくない。感情がまとまらない。

 

 ヤバい虫歯と死んでる歯というワードで私があまりにビビりまくっていたため、それを察したであろう歯科医が今後の流れを選ばせてくれた。

 

【本日の二択】

  1. 今から上の歯石も削って、早速歯の治療開始(麻酔はしてもしなくてもOK)
  2. 今日は下の歯石取るだけ。次回上の歯石取って、心の準備をして麻酔ありで歯の治療開始
    (両方とも歯周病の治療同時進行)

 迷いなく2.を選んだ私に、歯科医は笑いながら「OKOK、そうしましょう」と言った。その日は、銀歯があった場所にゴムの被せものをして下の歯の歯石を取って終わった。

 

ここの歯医者、ぜんぜん怖くなかったな。めっちゃビビってたけど大したことないじゃん。しかもショッピングセンター併設だから買い物して帰れるし便利。浮かれたテンションでぶらぶら薬局とか見て、歯ブラシとか歯磨き粉とか新調した。

 

 駐車場に戻る前にトイレ行って、化粧直しにマスク取って鏡見た。ヒュッって声出た。大人の女性の鼻から出てはいけないものが出てる。いつからだよ。マスクしてたからわかんなかった。バジリスクの念鬼思い出してがっつり凹んで帰った。

 今更だが、歯医者の時は出ていなかったことを祈る。

マスク常用だと油断しちゃう